W杯日本代表は正々堂々と全敗せよ(1)/杉山茂樹(スポーツライター)
W杯日本代表は正々堂々と全敗せよ(2)/杉山茂樹(スポーツライター)
ついに今日、W杯が開幕しました!開幕戦は開催国の南アフリカとメキシコの一戦。結果は、地味に1対1でしたが、緊迫したいい試合だったと思います。南アフリカがゴールを決めた後のスタジアムの熱狂が凄まじかった。
日本の試合は14日からですが、そんな折に腹立たしい記事を発見したのでご紹介します。あまりのひどい内容に腹立ったので。
・タイトルで負けろと言っているのに結論は違う方向へ。
仰々しく「正々堂々と全敗せよ」と言っているくせに、負ける意義についての議論は一切無く、これで勝てるはずだ、これで日本サッカーがよくなるはずだ、という何の実践にも基づかない独りよがりの安いサッカー論に終始している。
負けろと言っているからには、W杯に負ける事に意味があり、全敗する事によってしか日本サッカーの未来は無い!という結論を導くべき。何が言いたいのか全然分からない。
・司令塔についての批判
この人の言う司令塔というのが、彼の言うポジション論においてどこのポジションを指すのかがはっきりとしない。司令塔と言えば普通はボランチと呼ばれるディフェンシブハーフを指す。
ハーフのポジションは色々な役割があり一概には言えないけれど、日本のボランチ、というか世界的に見ても、高校でも大学でも、僕が見てきた中ではボランチと呼ばれるプレーヤーは、試合中相手のFWやMFの選手に対してずっとプレス(簡単に言えば走って追いかける事)を続けて、ボールを奪ったらすぐに攻撃へと移るための起点となる仕事をする。まさにここが攻撃の始まりとなり、そのパスで攻撃を司令(指令)したように見えるのでイタリアなどではレジスタと呼ばれ司令塔と考えられている。
こんなことはサッカーをやっている人にとっては常識。ボランチの仕事ににおける司令塔と呼ばれる部分は攻撃の起点となろうとする行為なので90分続けるべき行為であって、3分間しか存在しないものじゃない。例えボールを触るのが3分間だけだったとしても。
また、相手が格上になるとなぜ司令塔が機能しなくなるかが分からない。確かに格上と戦えば守りに回る時間は増えるだろうが、攻撃の機会がゼロになる訳ではない。
・フォーメーションについて
フォーメーションがピッチに描かれるデザイン??
そこからして意味不明だが、フォーメーションとは配置だと思う。
自分自身がどう動くかというのももちろん大事だけれど、むしろ周りとの関係の方が大事。
・走行距離について
なぜ相手チームより走っている事がいけないことなのかが全く分からない。
テクニックで劣っている場合には運動量でカバーするしかない。たしかに最後まで体力が続かない事は問題ではあるが、走らない事ではなくスタミナをつけることが優先されるというのは、この人が持ち上げるオシム監督が言っていたこと。
走りすぎてプレスがかけれていないと言っているが、走らなければプレスをかけるのは無理w
文中、日本のサッカーのスタンダードが上がらない理由のひとつにメディアを挙げているが、それはあなたのことであるとお伝えしたい。
記者はこの人。杉山茂樹。ああなるほど。