デザインとは付加価値ではない。
デザインとは全体価値であり新しい価値観を創造するものだ。」
川崎 和男
僕の名言集は修士になってから付け始めたので、おのずからデザインに関する川崎先生の言葉が多くなります。
川崎先生の授業を受けるまでは、僕にとってデザインという言葉はファッションと同義でした。当時で言えばデザインとはパンツの異様な細さを示し、デザイナーとはその時代のファッションシーンを象徴していたエディ・スリマンを指していました。
そんな僕が3年生のころだったと思います。理由は覚えていません。なぜか川崎和男という教授が阪大にいることを知り、どうしてもいかなアカンと思って院生対象の授業にモグったときの一言です。この一言により僕のデザインに対する考え方はがらりと変わりました。
真っ暗な教室の中で、刺激的な色使いのムービーと激しいくらいのサウンドを鳴り響かせて始まったあの授業は今でも覚えています。まあ今思えば、さながら新興宗教の勧誘会やったけどw
要するに教祖の言葉に導かれ今に至る訳です。
よくタレントのなんたらがデザインしたっていうストッキングとかがあるじゃないですか。あれこそがまさに付加価値です。色を選んで、サインをしてっていうだけではデザインにはならない。ただパッケージにナンタラデザインって載るだけの付加的な価値。
デザインとは、ストッキングそのものが持つ世界観をつくることだと思っています。それがストッキング全体の価値であり、徹底的にその世界観をつくり込むことで新たな価値観が生まれてくるのだと信じています。

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